Japanese
English
症例報告
節性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の寛解中に発症した皮膚B細胞偽リンパ腫の1例
A case of cutaneous B-cell pseudolymphoma arising during remission of nodal diffuse large B-cell lymphoma
小倉 康晶
1,2
,
近藤 峻平
1
,
大塚 正樹
1
,
戸倉 新樹
1,2
Yasuaki OGURA
1,2
,
Shumpei KONDO
1
,
Masaki OTSUKA
1
,
Yoshiki TOKURA
1,2
1中東遠総合医療センター皮膚科・皮膚腫瘍科
2中東遠総合医療センターアレルギー疾患研究センター
1Division of Dermatology & Skin Oncology, Chutoen General Medical Center, Kakegawa, Japan
2Allergic Disease Research Center, Chutoen General Medical Center, Kakegawa, Japan
キーワード:
偽リンパ腫
,
腫瘤
,
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
,
リンパ濾胞
Keyword:
偽リンパ腫
,
腫瘤
,
びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
,
リンパ濾胞
pp.155-159
発行日 2024年2月1日
Published Date 2024/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207207
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要約 80歳,男性.当科初診5年前にびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma : DLBCL)を発症,化学放射線療法により4年前から完全寛解であった.2か月前より左前腕に皮膚腫瘤が出現し増大したため,DLBCLの皮膚転移を疑い当科紹介となった.初診時,左前腕に2 cm大のドーム状の皮膚腫瘤を認めた.皮膚生検では,真皮全層に胚中心過形成を伴うリンパ濾胞を形成していた.リンパ球はCD20陽性,MUM-1陰性,濾胞中心ではBCL-6陽性だった.免疫グロブリン重鎖JH遺伝子再構成は認めず,B細胞偽リンパ腫と診断した.生検を契機に消退し以後再発を認めていない.過去にDLBCL患者に生じた皮膚偽リンパ腫の症例はないものの,巨大リンパ濾胞を伴う反応性リンパ節過形成の報告はみられ,自験例でも同様の免疫学的背景から生じた可能性が推察された.DLBCLの既往を持つ患者に生じた皮膚偽リンパ腫では,DLBCLの転移との先入観を抱きがちになるが,それに左右されることなく正確な診断をする重要性を実感した.
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