Japanese
English
症例
イベルメクチンによる多形紅斑の1例
Erythema multiforme due to ivermectin
松立 吉弘
1
,
佐々木 千晃
1
,
岡﨑 秀規
1
,
定本 靖司
1
Yoshihiro MATSUDATE
1
,
Chiaki SASAKI
1
,
Hidenori OKAZAKI
1
,
Yasushi SADAMOTO
1
1愛媛県立中央病院,皮膚科(主任:定本靖司総合診療センター長)
キーワード:
イベルメクチン
,
多形紅斑
Keyword:
イベルメクチン
,
多形紅斑
pp.619-622
発行日 2023年5月1日
Published Date 2023/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003902
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56歳,女性。イベルメクチン6mgを内服した翌日より皮疹,38℃台の発熱が生じた。四肢優位に浮腫性の暗紅色斑が融合し,前腕では弛緩性水疱を伴っていた。眼球結膜の充血,口唇のびらんを認めた。病理組織では,表皮下水疱を形成し,表皮細胞の個細胞壊死を少数認めた。蛍光抗体直接法は陰性,イベルメクチンの薬剤リンパ球刺激試験は陽性(stimulation index 250%)であった。以上より,イベルメクチンによる多形紅斑と診断した。ステロイドパルス療法およびプレドニゾロン30mg/日の内服により症状は改善した。イベルメクチンは安全性の高い薬剤である。しかし,非常にまれながら,多形紅斑のような重症薬疹が生じ得ることを知っておく必要がある。
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