Japanese
English
症例報告
イベルメクチンが奏効したcreeping diseaseの1例
A case of creeping disease treated with ivermectin
大森 香央
1
,
土肥 凌
1
,
金子 健彦
1
,
信崎 幹夫
2
,
赤尾 信明
3
Kao OMORI
1
,
Ling DOI
1
,
Takehiko KANEKO
1
,
Mikio SHINOZAKI
2
,
Nobuaki AKAO
3
1同愛記念病院皮膚科
2しのざき皮膚科
3東京医科歯科大学大学院国際環境寄生虫病学分野
1Division of Dermatology,The Fraternity Memorial Hospital,Tokyo,Japan
2Shinozaki Dermatology Clinic,Tokyo,Japan
3Section of Environmental Parasitology,Division of Public Health Graduate School,Tokyo Medical and Dental University,Tokyo,Japan
キーワード:
creeping disease
,
ホタルイカ
,
旋尾線虫幼虫症
,
イベルメクチン
Keyword:
creeping disease
,
ホタルイカ
,
旋尾線虫幼虫症
,
イベルメクチン
pp.940-942
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102147
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要約 52歳,男性.初診の約1週間前にホタルイカを約15匹生食した.その4日後に腹部に爬行状皮疹が出現し,徐々に拡大したため,当院を受診した.病理組織学的所見では,表皮の浮腫と表皮内水疱を認め,真皮上層から中層にかけてリンパ球を主体とする炎症細胞が浸潤していた.虫体は検索した切片では認められなかったが,旋尾線虫幼虫TypeⅩの抗体価の上昇が確認され,原因と考えた.生検後に新たに爬行状皮疹の伸長が出現したため,虫体が残存していると考え,イベルメクチン15mgの内服を試みたところ,皮疹の伸長が停止した.伸長の停止と症状の軽快は内服開始後4日以内,皮疹出現後から8日以内の早期に認められたことから,旋尾線虫幼虫症に対してイベルメクチンは有効であったと考えた.
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