Japanese
English
症例報告
中枢性尿崩症を合併した成人Langerhans細胞組織球症の1例
A case of adult Langerhans cell histiocytosis with central diabetes insipidus
佐々木 千晃
1
,
松立 吉弘
1
,
岡﨑 秀規
1
,
定本 靖司
1
,
上田 玲
2
Chiaki SASAKI
1
,
Yoshihiro MATSUDATE
1
,
Hidenori OKAZAKI
1
,
Yasushi SADAMOTO
1
,
Ryo UEDA
2
1愛媛県立中央病院皮膚科
2愛媛県立中央病院血液内科
1Division of Dermatology, Ehime Prefectural Central Hospital, Matsuyama, Japan
2Division of Hematology, Ehime Prefectural Central Hospital, Matsuyama, Japan
pp.419-425
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207322
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要約 44歳,男性.4か月前より口囲に丘疹が出現し,徐々に増加した.2か月前より多飲・多尿を自覚していた.皮疹は抗菌薬の内服・外用では改善に乏しく,当科を受診した.顔面に7 mm大までの淡い紅色丘疹が多数散在し,口囲では点状の痂皮を伴っていた.皮膚生検では表皮内から真皮全層にかけて切れこみのある核を有する大型の組織球様細胞が浸潤しており,免疫染色ではCD1a陽性,S100蛋白陽性であった.高張食塩水負荷試験で抗利尿ホルモン濃度は上昇せず,バソプレシン負荷試験で尿浸透圧が上昇した.MRIで下垂体柄の腫大を認めた.以上より,多臓器型Langerhans細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis : LCH)と診断した.化学療法とデスモプレシン内服により皮疹,尿崩症症状は改善した.痤瘡を思わせるが,治療抵抗性で痂皮,出血を伴う多発性の丘疹を見た場合にはLCHも疑う必要がある.
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