Japanese
English
症例
除草剤アラクロールによる化学熱傷後に生じた多形紅斑の1例
Erythema Multiforme Associated with Chemical Burn Due to the Herbicides Alachlor
松立 吉弘
1
,
村尾 和俊
1
,
久保 宜明
1
,
高橋 収
2
Yoshihiro MATSUDATE
1
,
Kazutoshi MURAO
1
,
Yoshiaki KUBO
1
,
Osamu TAKAHASHI
2
1徳島大学大学院医歯薬学研究部,皮膚科学(主任:久保宜明教授)
2高橋皮膚科クリニック,吉野川市
キーワード:
多形紅斑
,
アラクロール
,
除草剤
,
接触皮膚炎
Keyword:
多形紅斑
,
アラクロール
,
除草剤
,
接触皮膚炎
pp.225-228
発行日 2019年2月1日
Published Date 2019/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001215
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71歳,男性。2週間前にアラクロール乳剤の原液が左前腕や左大腿にかかり,化学熱傷と診断された。プレドニゾロン30mg/日の内服で軽快傾向であったが,3日前から曝露部以外にも紅斑が生じたため受診した。曝露部周囲や右前腕,右大腿,膝蓋部に浮腫性の標的状紅斑が散在,融合していた。発熱や粘膜疹は認めなかった。病理組織は,表皮の空胞変性と個細胞壊死が目立ち,真皮浅層の血管周囲にリンパ球浸潤がみられた。以上より,多形紅斑と診断した。曝露部周囲に限局した皮疹の分布から,アラクロール乳剤の曝露により多形紅斑が誘発されたと考えた。われわれ皮膚科医は,除草剤の曝露が多形紅斑の原因となり得ることに留意しておく必要がある。
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