Japanese
English
症例報告
ソラフェニブによる多形紅斑型薬疹の1例
A case of erythema multiforme-type drug eruption due to sorafenib
松本 玲子
1
,
松村 由美
1
,
宮地 良樹
1
Reiko MATSUMOTO
1
,
Yumi MATSUMURA
1
,
Yoshiki MIYACHI
1
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kyoto University Graduate School of Medicine,Kyoto,Japan
キーワード:
ソラフェニブ
,
多形紅斑
Keyword:
ソラフェニブ
,
多形紅斑
pp.127-130
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102807
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要約 78歳,男性.転移性腎細胞癌に対しソラフェニブ400mg/日の内服を開始した.開始7日目に足に紅斑,小水疱,疼痛を認め手足症候群と診断されステロイド外用を開始した.しかし皮疹はさらに増悪し続け,14日目には全身に広がり,微熱および粘膜疹も伴った.皮疹はターゲット様紅斑であり,病理組織像にて表皮基底部の空胞変性,軽度のリンパ球浸潤,異常角化細胞を認め,真皮浅層でリンパ球,好酸球浸潤を認めた.以上よりソラフェニブによる汎発性多形紅斑型薬疹と診断,同剤を中止しステロイド20mg/日の内服を開始した.以後皮疹は改善傾向となり,ステロイドも漸減し治療10日目にはすべての皮疹が改善した.ソラフェニブによる多形紅斑の報告は少なく,今回その稀な1例を経験したため,類似症例との比較検討を加えて報告する.
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