Japanese
English
症例
長期のひきこもりと偏食により壊血病をきたした1例
Scurvy due to the long-term social withdrawal and the unbalanced diet
矢口 望
1
,
斎藤 小弓
1
,
狩野 俊幸
1
Nozomi YAGUCHI
1
,
Koyumi SAITO
1
,
Toshiyuki KANO
1
1茨城県立中央病院,皮膚科(主任:狩野俊幸部長)
キーワード:
壊血病
,
ひきこもり
,
偏食
,
潰瘍
,
ビタミンC
Keyword:
壊血病
,
ひきこもり
,
偏食
,
潰瘍
,
ビタミンC
pp.83-87
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003724
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40歳,女性。10年前よりひきこもり状態であった。食事量が少なく,食事内容はパンや豚肉,鮭が中心で,野菜や果物はほぼ含まれていないという極度の偏食であった。初診2年前より両下腿に米粒大の紫斑が多発し,初診数カ月前には紫斑の一部が潰瘍化した。歯肉の腫脹や出血も認められた。血液検査および病理組織学的検査から血管炎や膠原病は否定的であった。その後血液検査でビタミンC欠乏が判明し,壊血病の診断に至った。ビタミンC(アスコルビン酸600mg/日)の投与で血中ビタミンC濃度は1カ月で上昇し,紫斑および潰瘍は緩徐に改善した。現代社会でも極端な食生活により壊血病を発症する可能性があり,注意が必要と考える。
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