Japanese
English
特集 悪性上皮系腫瘍
痔瘻癌の1例
Anal fistula cancer
矢口 望
1
,
斎藤 小弓
1
,
日吉 雅也
2
,
五頭 三秀
3
,
狩野 俊幸
1
Nozomi YAGUCHI
1
,
Koyumi SAITO
1
,
Masaya HIYOSHI
2
,
Mitsuhide GOTO
3
,
Toshiyuki KANO
1
1茨城県立中央病院,皮膚科(主任:狩野俊幸部長)
2同,消化器外科
3同,消化器内科
キーワード:
痔瘻癌
,
難治性痔瘻
,
粘液癌
Keyword:
痔瘻癌
,
難治性痔瘻
,
粘液癌
pp.345-348
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003816
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63歳,男性。約5年前,右臀部に結節が出現し2年前から増大した。初診時,両側臀部から会陰部,陰囊後面に及び,多数の瘻孔からゼリー状粘液の排出を伴う長径20cmの腫瘍を認めた。病理組織学的には高分化腺癌由来の粘液癌であり,免疫染色ではCK7陽性,CK20陽性,GCDFP-15陰性であった。臨床所見と総合して痔瘻癌と診断した。CTでは骨盤内リンパ節転移,腹膜播種を認めた。当院消化器内科にて術前化学療法を施行し,原発巣およびリンパ節転移巣は縮小した。今後,放射線照射後に骨盤内臓全摘術が予定されている。皮膚科領域で痔瘻癌を経験する機会はまれであるが,肛囲の粘液排出を伴う腫瘍の鑑別として注意が必要と考える。
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