Japanese
English
症例
アルコール性肝硬変患者に生じた後天性亜鉛欠乏症
Acquired zinc deficiency in a patient with alcoholic liver cirrhosis
寺田 義之
1
,
虎井 僚太郎
1
,
関 太樹
1
,
森 修一
1
,
古川 史奈
1
,
牧野 輝彦
1
,
清水 忠道
1
Yoshiyuki TERADA
1
,
Ryotaro TORAI
1
,
Taiki SEKI
1
,
Syuichi MORI
1
,
Fumina FURUKAWA
1
,
Teruhiko MAKINO
1
,
Tadamichi SHIMIZU
1
1富山大学学術研究部医学系,皮膚科学講座(主任:清水忠道教授)
キーワード:
亜鉛欠乏症
,
アルコール
,
肝硬変
Keyword:
亜鉛欠乏症
,
アルコール
,
肝硬変
pp.79-82
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003723
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46歳,女性。アルコール多飲歴およびそれに伴うアルコール性肝硬変の既往があった。約2年前より手足,肛門周囲に瘙痒を伴う紅斑を認め,前医でステロイド外用などによる治療を行われるも改善なく,精査加療目的に当院を紹介受診した。四肢末端と肛門周囲の皮膚炎所見に加え,血液検査で亜鉛低値を認めたため,亜鉛欠乏症による皮膚炎を疑った。入院し酢酸亜鉛水和物100mg/日を開始し,速やかな皮膚症状の改善を認め,亜鉛欠乏症と確定診断した。後天性亜鉛欠乏症の原因は,高カロリー輸液などによる亜鉛補充不足に起因する症例が多くを占めるが,アルコール性肝硬変患者も亜鉛欠乏に至りやすく,注意が必要であると思われた。
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