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特集 免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象(irAE)
ニボルマブ投与中に無症候性アミラーゼ血症をきたした踵部悪性黒色腫の1例
Asymptomatic pancreatic amylase elevation during nivolumab administration in a melanoma patient
田尻下 明依
1
,
永井 幸司郎
1
,
岩間 美幸
1
,
大原 國章
1
,
吉野 公二
1
Mei TAJIRIKA
1
,
Kojiro NAGAI
1
,
Miyuki IWAMA
1
,
Kuniaki OHARA
1
,
Koji YOSHINO
1
1がん・感染症センター 都立駒込病院,皮膚腫瘍科(主任:吉野公二部長)
キーワード:
ニボルマブ
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
悪性黒色腫
,
急性膵炎
,
アミラーゼ
Keyword:
ニボルマブ
,
免疫チェックポイント阻害薬
,
悪性黒色腫
,
急性膵炎
,
アミラーゼ
pp.11-14
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003707
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71歳,女性。左踵部悪性黒色腫,多発リンパ節転移に対しニボルマブ3mg/kgを2週間ごとに投与開始した。56日後に膵アミラーゼ値の上昇があり,免疫関連有害事象の急性膵炎を疑ったが,腹部症状はなく,造影CTでも急性膵炎の所見を認めなかった。ニボルマブ投与を延期し,アミラーゼ値は減少したため2週間後にニボルマブの再投与を行ったがアミラーゼ血症の再燃や急性膵炎の発症はなかった。免疫チェックポイント阻害薬の単剤投与や併用投与による無症候性アミラーゼ血症は過去にも報告されているが,急性膵炎へ移行する頻度は低い。このため,経過観察を行いながら免疫チェックポイント阻害薬の投与を継続する選択肢も考えられる。
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