Japanese
English
症例
乳癌への放射線療法により誘発されたと考えられた水疱性類天疱瘡の1例
Bullous pemphigoid possibly induced by radiotherapy for breast cancer
内田 望美
1
,
平澤 祐輔
1
,
稲毛 明子
1
,
深井 達夫
1
,
池田 志斈
1
Nozomi UCHIDA
1
,
Yusuke HIRASAWA
1
,
Akiko INAMO
1
,
Tatsuo FUKAI
1
,
Shigaku IKEDA
1
1順天堂大学医学部,皮膚科学講座(主任:池田志斈教授)
キーワード:
水疱性類天疱瘡
,
放射線療法
,
乳癌
Keyword:
水疱性類天疱瘡
,
放射線療法
,
乳癌
pp.2018-2022
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003642
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53歳,女性。右乳癌と診断され,右乳房部分切除術,センチネルリンパ節生検術施行後,放射線療法を受けた。照射終了1カ月後より,照射部位に軽度の瘙痒,2カ月後には水疱,びらんが出現した。放射線皮膚炎を考えステロイド外用で加療したが,照射部外にも瘙痒を伴う浮腫性紅斑や緊満性水疱が出現した。病理組織像と採血結果より,水疱性類天疱瘡と診断した。水疱性類天疱瘡の誘引因子として,神経疾患,薬剤,悪性腫瘍などがあるが,1995年以降,本邦では放射線療法後に発症したという報告が自験例を含めて5例ある。いずれも通常の水疱性類天疱瘡に準じて加療されていた。放射線療法後の難治性の水疱,浮腫性紅斑の出現をみた場合,照射部外病変の有無にも留意し,直接的な皮膚障害以外にも水疱性類天疱瘡を鑑別診断としてあげる必要があると考えた。
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