Japanese
English
症例
バンコマイシン塩酸塩により誘発された線状IgA水疱性皮膚症の1例
Vancomycin-induced linear IgA bullous dermatosis
松岡 廣
1
,
石井 良征
1
,
奥根 真里
1
,
藤澤 康弘
1
,
乃村 俊史
1
Ko MATSUOKA
1
,
Yoshiyuki ISHII
1
,
Mari OKUNE
1
,
Yasuhiro FUJISAWA
1
,
Toshifumi NOMURA
1
1筑波大学医学医療系,皮膚科(主任:乃村俊史教授)
キーワード:
線状IgA水疱性皮膚症
,
薬剤性
,
バンコマイシン塩酸塩
Keyword:
線状IgA水疱性皮膚症
,
薬剤性
,
バンコマイシン塩酸塩
pp.2023-2026
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003643
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79歳,女性。肺化膿症治療のためバンコマイシン塩酸塩を投与したところ,体幹,四肢に紅斑が,下腿と足背に緊満性水疱が出現した。多形紅斑型薬疹を疑い,バンコマイシン塩酸塩の投与を中止した。皮膚生検を施行したうえで,プレドニゾロン50mg/日の内服で治療を開始し,皮疹は速やかに消退した。病理組織検査にて,表皮下水疱と水疱内の好中球浸潤を認めた。蛍光抗体直接法では,表皮基底膜部へのIgAの線状沈着を認めた。以上から,バンコマイシン塩酸塩により誘発された線状IgA水疱性皮膚症と診断し,プレドニゾロンを速やかに減量したが,皮疹の再燃はなかった。バンコマイシン塩酸塩は使用頻度の高い抗菌薬であり,同薬投与中に水疱が生じた場合には本疾患を念頭に置く必要がある。
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