特集 皮疹はこう見る,こう表現する
よく見る皮膚疾患を発疹レベルで理解する
〈水疱症・膿疱症〉
水疱性類天疱瘡
山上 淳
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科
キーワード:
水疱性類天疱瘡
,
緊満性水疱
,
浮腫性紅斑
,
DPP-4阻害薬
Keyword:
水疱性類天疱瘡
,
緊満性水疱
,
浮腫性紅斑
,
DPP-4阻害薬
pp.1890-1891
発行日 2020年10月10日
Published Date 2020/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227239
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▶疾患の概要
水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid;BP)は,全身の皮膚に水疱➊と紅斑➋を生じる自己免疫性水疱症である.国指定難病で,難病情報センターによると患者の約半数が75歳以上,80%以上が60歳以上と高齢者に多く見られる.口腔などの粘膜に水疱・びらん➌を生じることもある.原因は,表皮基底層の角化細胞と基底板との接着に重要なヘミデスモゾームを構成するBP180(17型コラーゲン)およびBP230に対するIgG型の自己抗体である.なぜ患者体内で自己抗体が産生されるようになるのかは,いまだ明らかにされていない.
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