Japanese
English
今月の症例
乳児の水疱性類天疱瘡の1例
A case of bullous pemphigoid of infant
金原 拓郎
1
,
大槻 典男
1
,
前川 尚三
2
,
中谷 茂和
2
Takuro KINBARA
1
,
Norio OTSUKI
1
,
Shozou MAEKAWA
2
,
Shigekazu NAKAYA
2
1舞鶴共済病院皮膚科
2舞鶴共済病院小児科
1Depertment of Dermatology,Maizuru Hospital
2Depertment of Pediatrics,Maizuru Hospital
キーワード:
水疱性類天疱瘡
,
乳児
,
掌蹠の水疱
Keyword:
水疱性類天疱瘡
,
乳児
,
掌蹠の水疱
pp.13-16
発行日 2003年1月1日
Published Date 2003/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101122
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生後2.5か月,男児.初診の7日前より顎下部に小水疱を伴った浮腫性紅斑が出現し,徐々に手足,体幹にも小豆大の浮腫性紅斑が出現.紅斑上や正常皮膚,掌蹠に緊満性水疱も出現してきた.口腔粘膜疹はなく痒がる動作はみられない.皮膚病理組織では,真皮乳頭に軽度の浮腫を認め,真皮上層の血管周囲に好酸球とリンパ球の浸潤を認める.蛍光抗体直接法では,IgG,C3が基底膜に線状に沈着した.間接法でIgGが基底膜に80倍で陽性であった.split skinで患者血清IgGが表皮側に80倍で陽性.免疫ブロット法で患者IgG抗体は180kDの表皮蛋白と反応した.治療はベタメタゾン(リンデロン(R))0.1mg/kg/日より内服開始.水疱の新生は続き0.4mg/kg/日まで増量したが水疱の新生は続いた.しかし,リンデロン(R)減量中に皮疹は寛解傾向を示し,中止後の現在は水疱の新生はほとんどない.
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