Japanese
English
症例報告
尋常性天疱瘡と水疱性類天疱瘡の合併例
Coexistence of pemphigus vulgaris and bullous pemphigoid
浅野 歩
1
,
天谷 雅行
2
Ayumi ASANO
1
,
Masayuki AMGAI
2
1福井医科大学皮膚科学教室
2慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Fukui Medical University
2Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
キーワード:
尋常性天疱瘡
,
水疱性類天疱瘡
,
デスモグレイン
,
ELISA
Keyword:
尋常性天疱瘡
,
水疱性類天疱瘡
,
デスモグレイン
,
ELISA
pp.600-603
発行日 2002年7月1日
Published Date 2002/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412904024
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77歳,男性.1995年6月から尋常性天疱瘡と診断され,治療されていた.1997年12月末,体幹,四肢の水疱が悪化し,病理組織像において表皮下の裂隙と表皮細胞間の空隙形成を認めた.蛍光抗体直接法で表皮細胞間と基底膜にIgG陽性,基底膜にはC3陽性であり,間接法では抗表皮細胞間抗体価,抗基底膜部抗体価ともに40倍.表皮抽出物を用いた免疫ブロット法でBP180とBP180NC16a陽性.組換え蛋白を用いたELISA法において抗Dsg1抗体強陽性,抗Dsg3抗体陽性であり,そのindex値は病勢を反映していた.以上より尋常性天疱瘡と水疱性類天疱瘡の合併例と診断した.自己免疫性水疱症の診断において,ELISA法は感度,特異性ともに優れた検査法であり,従来の検査法と組み合わせることでより確実な診断が可能となっていくと思われた.
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