Japanese
English
症例報告
乳癌の放射線治療部位に生じた限局性水疱性類天疱瘡の1例
A case of localized bullous pemphigoid induced by radiotherapy for breast cancer
松崎 ひとみ
1
,
山上 淳
1
,
久保 亮治
1
,
永尾 圭介
1
,
大山 学
1
,
海老原 全
1
,
天谷 雅行
1
Hitomi MATSUZAKI
1
,
Jun YAMAGAMI
1
,
Akiharu KUBO
1
,
Keisuke NAGAO
1
,
Manabu OYAMA
1
,
Tamotsu EBIHARA
1
,
Masayuki AMAGAI
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
放射線照射
,
水疱性類天疱瘡
,
抗BP180抗体
,
限局性類天疱瘡
,
自己免疫
Keyword:
放射線照射
,
水疱性類天疱瘡
,
抗BP180抗体
,
限局性類天疱瘡
,
自己免疫
pp.757-760
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103404
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要約 52歳,女性.左乳癌部分切除術および腋窩リンパ節郭清後に,計25回の放射線照射(総量50Gy)を受けた.照射終了1か月後より,左胸部に水疱が出現し,近医で外用にて加療されたが皮疹が拡大したため,当科を受診した.初診時,左前胸部から側腹部の照射部位に一致して,径2cm大までの緊満性水疱とびらんを伴う境界明瞭な紅斑を認めた.病理組織像は好酸球浸潤を伴う表皮基底層直下の水疱形成であり,蛍光抗体直接法で基底膜部にC3の線状沈着,蛍光抗体間接法で基底膜部にIgGの線状沈着を認めた.BP180 ELISA値は43.9と上昇していた.以上の所見より,放射線照射により誘発された水疱性類天疱瘡と診断した.症状が照射部位に限局していたため,ステロイド軟膏外用のみで経過観察したところ,皮疹は消退し,BP180 ELISA値も14.4まで低下した.放射線照射部に水疱が出現した際には,水疱性類天疱瘡を鑑別疾患として考える必要がある.
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