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特集 皮膚科領域における細菌・抗酸菌感染症の最新トピックス
症例報告
透析患者に生じたMycobacterium immunogenum皮膚感染症の1例
Mycobacterium immunogenum skin infection in a dialysis patient
岡本 拓希
1
,
井岡 奈津江
1
,
益田 浩司
1
,
加藤 則人
1
Hiroki OKAMOTO
1
,
Natsue IOKA
1
,
Koji MASUDA
1
,
Norito KATOH
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科,皮膚科学(主任:加藤則人教授)
キーワード:
非結核性抗酸菌症
,
Mycobacterium immunogenum
,
血液透析
Keyword:
非結核性抗酸菌症
,
Mycobacterium immunogenum
,
血液透析
pp.1968-1972
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003630
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78歳,男性。4年前から維持透析中であった。初診3カ月前に右手背を金槌で打ち,前医で抗菌薬内服加療を開始したが,その後も受傷部の紅色局面が拡大したため,当科を紹介受診した。初診時,右手背に3cm大の圧痛を伴う紅色局面を認め,中央部は潰瘍形成し,排膿があった。病理組織学的には真皮から皮下組織にかけて化膿型肉芽腫を認め,Ziehl-Neelsen染色は陰性だったが,創部培養からMycobacterium immunogenumを検出し,同菌による皮膚感染症と診断した。病変部の計3回の外科的切除とドキシサイクリン塩酸塩水和物の内服治療,温熱療法を施行し,初診より3カ月後に皮疹は消退した。その後,再発は認めていない。易感染状態の患者はまれな非結核性抗酸菌による感染症にも留意する必要がある。
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