Japanese
English
今月の症例
Mycobacterium mageritenseによる皮膚感染症の1例
A case of cutaneous Mycobacterium mageritense infection
丸山 涼子
1
,
松山 麻子
1
,
株本 武範
1
,
田邊 嘉也
2
,
伊藤 雅章
1
Ryoko MARUYAMA
1
,
Asako MATSUYAMA
1
,
Takenori KABUMOTO
1
,
Yoshiya TANABE
2
,
Masaaki ITO
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科皮膚科学分野
2新潟大学医歯学総合病院感染管理部
1Department of Dermatology, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Science, Niigata, Japan
2Divison of Infection Control and Prevention, Niigata University Medical and Dental Hospital, Niigata, Japan
キーワード:
非結核性抗酸菌症
,
Mycobacterium mageritense
,
薬剤感受性
,
クラリスロマイシン
,
レボフロキサシン
Keyword:
非結核性抗酸菌症
,
Mycobacterium mageritense
,
薬剤感受性
,
クラリスロマイシン
,
レボフロキサシン
pp.722-726
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204539
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 52歳,女性.特に外傷等の既往なく,右臀部に25×25mm大の皮下結節と,小瘻孔が出現した.瘻孔からの滲出液の抗酸菌塗抹検査では,ガフキー1号であった.国立結核予防会結核研究所に菌種の同定を依頼し,Mycobacterium mageritenseと判明した.臀部の皮下結節は筋膜直上まで切除し,全層植皮術を施行した.しかし,病理組織学的に切除断端にて抗酸菌を認めたため,クラリスロマイシン800mg分2とレボフロキサシン500mg分2の内服を半年間行った.その後,右臀部に再発はなく,他病変にも新生していない.M. mageritenseは非常に稀な非結核性抗酸菌であるとともに,菌種の同定も難しく,本邦の感染報告例は少ない.調べえた限り皮膚科領域での報告は自験例が1例目とみられる.積極的に菌種の同定を行い,M. mageritenseについての皮膚感染症例を蓄積し,治療法などを確立する必要があると思われた.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.