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特集 皮膚科領域における細菌・抗酸菌感染症の最新トピックス
症例報告
市中感染型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による多発皮下膿瘍の1例
Multiple subcutaneous abscesses caused by community-associated methicillin-resistant Staphylococcus aureus
山本 麻琴
1
,
小泉 滋
1
,
浦﨑 智恵
1
,
山口 哲央
2
,
中野 倫代
1
Makoto YAMAMOTO
1
,
Shigeru KOIZUMI
1
,
Chie URASAKI
1
,
Tetsuo YAMAGUCHI
2
,
Michiyo NAKANO
1
1総合病院国保旭中央病院,皮膚科(主任:中野倫代部長)
2東邦大学医学部,微生物・感染症学講座
キーワード:
市中感染型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
MRSA
,
多発膿瘍
Keyword:
市中感染型メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
,
MRSA
,
多発膿瘍
pp.1946-1950
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003625
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59歳,男性。未治療の糖尿病があった。体幹,四肢に紅色丘疹を自覚し,前医にてメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による敗血症,背部,臀部の皮下膿瘍と診断された。抗菌薬治療を行うも改善なく,当科を受診した。皮下膿瘍のデブリードマン,抗菌薬投与を行い治癒した。膿瘍組織培養でMRSA,肺炎桿菌を認め,MRSAは遺伝子検査でPanton-Valentine leukocidin(PVL)産生市中感染型MRSA(CA-MRSA)と判明した。近年PVL産生CA-MRSAによる感染症は増加しており,外科的治療を要する症例が多い。重篤な皮膚軟部組織感染症では,PVL産生MRSAが起因菌である可能性を考慮し,抗菌薬選択および外科的治療の検討を行うべきであると考えた。
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