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特集 皮膚科領域における細菌・抗酸菌感染症の最新トピックス
症例報告
下肢切断により救命し得たPhotobacterium damselaeによる壊死性筋膜炎
Necrotizing fasciitis due to Photobacterium damselae saved by leg amputation
財前 行宏
1
,
石原 博史
2
,
古川 雅英
2
Yukihiro ZAIZEN
1
,
Hiroshi ISHIHARA
2
,
Masahide FURUKAWA
2
1社会医療法人敬和会大分岡病院,内科
2同,形成外科
キーワード:
Photobacterium damselae
,
壊死性筋膜炎
,
糖尿病
Keyword:
Photobacterium damselae
,
壊死性筋膜炎
,
糖尿病
pp.1941-1945
発行日 2022年11月1日
Published Date 2022/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003624
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87歳,男性。糖尿病で血糖管理不良であった。海釣り中の午前10時頃,魚のヒレが左足関節に刺さり受傷した。夜になって疼痛が出現し近医を受診した。翌日には疼痛が増強し,左下肢足背部から暗紫色に変色腫脹したため,当院に搬送された。局所所見と受傷機転により壊死性筋膜炎と診断した。創傷部細菌塗抹検査ではグラム陰性桿菌を検出し,抗菌薬を点滴静注したが,病変は次第に拡大した。入院翌日には全身状態も悪化したため,救命目的にて大腿切断を実施し救命し得た。術後,細菌培養によりPhotobacterium damselaeが同定された。この菌による海水域での創傷感染はまれではあるが,高齢者や糖尿病など基礎疾患を有する患者では重症化することがあり,その危険性が知られる必要があると思われた。
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