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今月の特集2 グローバル化時代の耐性菌感染症
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
Methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)
二本柳 伸
1,2
,
花木 秀明
2
1北里研究所北里大学病院感染管理室
2北里大学北里生命科学研究所抗感染症薬研究センター
キーワード:
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の病原因子
,
市中関連型MRSA(CA-MRSA)の分子疫学
,
抗MRSA薬
Keyword:
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の病原因子
,
市中関連型MRSA(CA-MRSA)の分子疫学
,
抗MRSA薬
pp.52-60
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200678
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Point
●MRSAはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の略であるが,現実的には多剤耐性黄色ブドウ菌である.近年,市中関連型MRSA(CA-MRSA)が市中でも院内でも増加している.
●抗MRSA薬として,細胞壁合成阻害のバンコマイシン(VCM)とテイコプラニン(TEIC),蛋白合成阻害のアルベカシン(ABK)とリネゾリド(LZD),膜障害のダプトマイシン(DAP)の5薬剤が認可されている.
●VCM,TEIC,LZDの短時間殺菌力は弱いが,ABKとDAPは強い.菌血症などの早急な除菌が必要な症例には殺菌性を考慮すべきである.
●米国臨床検査標準協会(CLSI)で感性と判定されるVCMの最小発育阻止濃度(MIC)値が2μg/mLを示す株に対しては,VCMによる治療はPK/PD理論からも期待できない.
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