Japanese
English
症例
肛門部潰瘍より診断できた肺結核の1例
Pulmonary tuberculosis diagnosed by a perianal ulcer
笹瀬 玲奈
1
,
国定 充
1
,
錦織 千佳子
1
,
山田 陽三
2
Reina SASASE
1
,
Makoto KUNISADA
1
,
Chikako NISHIGORI
1
,
Youzou YAMADA
2
1神戸大学医学部附属病院,皮膚科(主任:錦織千佳子教授)
2加古川中央市民病院,皮膚科
キーワード:
肛門潰瘍
,
肛門結核
,
組織培養検査
Keyword:
肛門潰瘍
,
肛門結核
,
組織培養検査
pp.1723-1726
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003545
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
79歳,男性。血便があり近医での下部消化管内視鏡検査では異常所見はなかったが,肛門部潰瘍を認めたため前医皮膚科を受診した。潰瘍部の病理組織像ではHE染色で特異的所見がなく,Ziehl-Neelsen染色も陰性で診断がつかず当院を紹介受診した。当院初診時には肛門皮膚から粘膜部において紅色調の潰瘍底を伴った局面を認めた。同部局面と潰瘍部から皮膚生検を施行し,その一部を供した組織培養検査にてMycobacterium tuberculosisが検出され,同部の病理組織像でZiehl-Neelsen染色にて菌体構造が確認できたため肛門結核と診断し,また胸部単純X線検査結果から肺結核の診断をし得た。肛門部潰瘍は鑑別疾患が多岐にわたるため,皮膚生検のみでなく,特に組織培養検査が診断に重要になる。
Copyright © 2022, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.