Japanese
English
症例
特発性後天性全身性無汗症の1例
Acquired idiopathic generalized anhidrosis
越後 岳士
1
,
筒井 清広
1
,
池田 篤平
2
,
南部 昌之
3
Takeshi ECHIGO
1
,
Kiyohiro TSUTSUI
1
,
Tokuhei IKEDA
2
,
Masayuki NANBU
3
1石川県立中央病院,皮膚科(主任:筒井清広科長)
2同,脳神経内科
3恵寿総合病院,皮膚科,七尾市
キーワード:
特発性後天性全身性無汗症
,
CEA
,
ピロカルピン塩酸塩
Keyword:
特発性後天性全身性無汗症
,
CEA
,
ピロカルピン塩酸塩
pp.1717-1721
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003544
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26歳,男性。初診8年前にコリン性蕁麻疹を発症し,数カ月前から発汗しにくく,うつ熱症状を伴った。温熱発汗試験で全身の広範囲に非髄節性の発汗低下がみられた。無汗部皮膚の病理組織像で汗腺に異常はなかった。アセチルコリン皮内テストは陰性,発汗異常以外に神経学的異常はなかった。血清CEA 19.1ng/ml。特発性後天性全身性無汗症と診断し,ステロイドパルス療法を計3クール施行した。2クール後から発汗が回復傾向となり,ピロカルピン塩酸塩内服を追加しさらに改善した。血清CEA値は病勢を反映し低下した。本症はまれな疾患であるが,重症例では熱中症の危険性があるため,治療の反応性が高い早期に適切な診断を行い,治療介入する必要がある。
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