Japanese
English
症例報告
肺結核患者に合併した肛門部潰瘍を呈する赤痢アメーバ症
Dysentery amoebiasis with the perianal ulcer occured in a pulmonary tuberculosis patient
齋藤 京
1
,
関根 克敏
2
,
川田 真幹
3
Hitoshi SAITO
1
,
Katsutoshi SEKINE
2
,
Miki KAWADA
3
1さいたま市立病院皮膚科
2さいたま市立病院内科
3さいたま市立病院感染症科
1Division of Dermatology, Saitama Municipal Hospital, Saitama, Japan
2Division of Internal Medicine, Saitama Municipal Hospital, Saitama, Japan
3Division of Infectious Diseases, Saitama Municipal Hospital, Saitama, Japan
キーワード:
赤痢アメーバ
,
赤痢アメーバ症
,
肛門部潰瘍
,
肺結核
,
HIV
Keyword:
赤痢アメーバ
,
赤痢アメーバ症
,
肛門部潰瘍
,
肺結核
,
HIV
pp.733-736
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103749
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要約 58歳,ホームレス男性.肺結核で入院したが,肛門部潰瘍や血便も認めていた.肛門部潰瘍は全周性で一部は白色の壊死を伴い深かった.壊死組織の抗酸菌培養は陰性,壊死組織の病理検査や便の塗抹検査で赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)が確認された.CTでは肝膿瘍を認め,下部消化管内視鏡では結腸に潰瘍が多発していたが抗酸菌や原虫は同定されなかった.結腸と肝病変は赤痢アメーバ症疑い,肛門病変は赤痢アメーバ症と診断した.イソニアジド200mg/日,リファンピシン450mg/日,エタンブトール750mg/日,ピラジナミド1g/日に加えメトロニダゾール1000mg/日を内服したが,次第に衰弱が進行し死亡した.本症は本邦で男性同性愛者による感染を中心に流行しつつある.自験例に関しては状況から不衛生な生活の中での経口感染と推察され,結核との合併である点および肛門部潰瘍を呈した点が特徴であった.
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