Japanese
English
症例報告
術後のドレーン刺入部に生じた胆囊癌の皮膚転移の1例
A case of skin tumor developed at the site of a drainage of surgery for gallbladder cancer
吉岡 愛育
1
,
国定 充
1
,
松本 拓
2
,
蔵満 薫
2
,
錦織 千佳子
1
Ai YOSHIOKA
1
,
Makoto KUNISADA
1
,
Taku MATSUMOTO
2
,
Kaoru KURAMITSU
2
,
Chikako NISHIGORI
1
1神戸大学医学部付属病院皮膚科
2神戸大学医学部付属病院消化器外科
1Division of Dermatology, Kobe University Hospital, Kobe, Japan
2Division of Gastrointestinal Surgery, Kobe University Hospital, Kobe, Japan
キーワード:
胆囊癌
,
腹腔鏡下胆囊摘出術
,
ドレーン部再発
,
転移性皮膚腫瘍
Keyword:
胆囊癌
,
腹腔鏡下胆囊摘出術
,
ドレーン部再発
,
転移性皮膚腫瘍
pp.355-359
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205044
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要約 65歳,女性.初診1年2か月前に胆囊癌の診断で当院外科にて手術,術後補助療法が施行された.術後退院時より右下腹部のドレーン留置部に自覚されていた硬結部位が,1か月前より痂皮形成,排膿を認め当科を紹介され受診した.初診時,右下腹部に潰瘍を伴う境界明瞭な紅色局面と皮下硬結を認め,病理組織像により胆囊癌の皮膚転移と診断した.内臓悪性腫瘍の皮膚転移の頻度は低いが,担癌患者の生存率の向上に伴い増加傾向であり,その中には医学的な手技による医原性皮膚転移がある.自験例同様に,術後ドレナージ部位に皮膚転移した例は,論文報告で調べえた限り自験例併せて9例であった.術後ドレーン挿入部の皮膚転移発症について慎重に術後経過観察することの重要性を再認識した.
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