Japanese
English
症例
感染源が不明であったドロレス顎口虫による皮膚爬行症の1例
Creeping disease caused by Gnathostoma doloresi with unknown source of infection
熊田 大樹
1
,
猪爪 隆史
1
,
栗田 遼二
1
,
野呂瀬 一美
2
,
彦坂 健児
2
,
丸山 治彦
3
,
松江 弘之
1
Daiki KUMATA
1
,
Takashi INOZUME
1
,
Ryoji KURITA
1
,
Kazumi NOROSE
2
,
Kenji HIKOSAKA
2
,
Haruhiko MARUYAMA
3
,
Hiroyuki MATSUE
1
1千葉大学大学院医学研究院,皮膚科学教室(主任:松江弘之教授)
2同,感染生体防御学教室
3宮崎大学医学部感染症学講座,寄生虫学分野,教授
キーワード:
ドロレス顎口虫症
,
感染源不明
,
皮膚爬行症
,
ELISA法
,
形態学的診断
Keyword:
ドロレス顎口虫症
,
感染源不明
,
皮膚爬行症
,
ELISA法
,
形態学的診断
pp.1727-1730
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003546
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38歳,男性。初診約3週間前に,左背部に線状の紅斑が出現し消退した。初診2週間前には,右側腹部に再燃したため当科を受診した。問診上淡水魚や爬虫類などの生食歴を否定したものの,皮膚爬行症をもっとも疑い,皮疹の先進部より皮膚生検を施行した。組織検査には虫体の断面が含まれており,角皮部の皮棘や2核を主とする腸上皮細胞などの所見から形態学的にドロレス顎口虫症と診断した。追加で施行した同虫に対するELISA法は陰性であった。ドロレス顎口虫は深部組織侵入性が強いとされ,眼球侵入やイレウスなど重篤な症状をおこす例も報告されている。明らかな感染源が不明の症例があることも認識し,適切な対応を行うことが重要である。
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