Japanese
English
症例
Gibberellin-regulated proteinを感作抗原とし,モモ・イチジク摂取後にアナフィラキシー症状を発現した1例
-―ヒノキアレルギーないしスギアレルギーとの交差性に関する考察を含めて―
Anaphylaxis due to intake of peach and fig associated with the sensitization of gibberellin-regulated protein: Discussion of cross-reactivity with cypress and/or cedar allergy
原田 晋
1
,
矢上 晶子
2
,
中村 政志
3
,
大野 史晃
3
,
下條 尚志
3
,
松永 佳世子
4
,
岩井 優依
5
,
中村 順子
5
,
岡崎 史子
6
,
成田 宏史
7
,
門間 敬子
8
Susumu HARADA
1
,
Akiko YAGAMI
2
,
Masashi NAKAMURA
3
,
Fumiaki OHNO
3
,
Naoshi SHIMOJO
3
,
Kayoko MATSUNAGA
4
,
Yui IWAI
5
,
Junko NAKAMURA
5
,
Fumiko OKAZAKI
6
,
Hiroshi NARITA
7
,
Keiko KADOMA
8
1はらだ皮膚科クリニック,院長,西宮市
2藤田医科大学,総合アレルギー科,教授
3藤田医科大学アレルギー疾患対策医療学講座,ホーユー総合研究所
4藤田医科大学医学部,アレルギー疾患対策医療学講座,教授
5兵庫県立尼崎総合医療センター,ER総合診療科
6龍谷大学農学部,食品栄養学科
7京都栄養医療専門学校,管理栄養士科
8京都女子大学家政学部,食物栄養学科,教授
キーワード:
モモ
,
イチジク
,
アレルギー
,
アナフィラキシー
,
gibberellin-regulated protein
Keyword:
モモ
,
イチジク
,
アレルギー
,
アナフィラキシー
,
gibberellin-regulated protein
pp.1041-1046
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003331
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16歳,女性。モモ,イチジク摂取後にアナフィラキシー症状を発症した。複数の果物類摂取後にアレルギー症状を繰り返したとの臨床経過からgibberellin-regulated protein(GRP)抗原の関与を疑い,諸検査を施行した。その結果,プリックテストではイチジク(4+),モモ自体・モモGRPともに(3+)陽性であり,モモGRPの特異的IgEも陽性で,かつこの抗原はイチジク粗抗原で阻害されたため,自験例をGRPアレルギーと診断した。GRPは熱安定性および消化酵素抵抗性を有しているため当初はクラス1アレルゲンであると考えられていたが,近年はヒノキ花粉やスギ花粉中のGRP抗原との交差反応性に注目されており,今後同様の症例の発現に留意する必要がある。
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