Japanese
English
症例
ケトン食療法中に発症した色素性痒疹の1例
Prurigo pigmentosa occurring during ketone diet therapy
小野 弘登
1
,
山口 礼門
1
,
楠木 敦士
1
,
牛上 敢
1
,
西部 明子
1
,
望月 隆
1
,
三井 善崇
2
,
佐藤 仁志
2
Hiroto ONO
1
,
Reimon YAMAGUCHI
1
,
Atsushi KUSUNOKI
1
,
Tsuyoshi USHIGAMI
1
,
Akiko NISHIBU
1
,
Takashi MOCHIZUKI
1
,
Yoshitaka MITSUI
2
,
Hitoshi SATO
2
1金沢医科大学,皮膚科学講座(主任:望月 隆教授)
2同,小児科学
キーワード:
色素性痒疹
,
てんかん
,
ケトン食療法
,
ケトン体
,
ミノサイクリン塩酸塩
Keyword:
色素性痒疹
,
てんかん
,
ケトン食療法
,
ケトン体
,
ミノサイクリン塩酸塩
pp.1047-1050
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003332
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21歳,男性。1カ月前にてんかんに対しケトン食療法が開始された。1週間前から上背部と胸部に瘙痒を伴う紅色丘疹が多発し,急速に分布が拡大した。尿中,血中ケトン体の上昇を認め,色素性痒疹を疑ってミノサイクリン塩酸塩内服を開始した。2週間後に皮疹は軽快し,色素沈着を残したため,経過観察となった。初診29週後,再び体幹部に毛孔一致性の紅色丘疹が増悪した。病理組織像は真皮浅層にリンパ球主体の細胞浸潤,海綿状態と表皮内の好中球浸潤を示し,色素性痒疹と診断した。皮疹はケトン比の低下とミノサイクリン塩酸塩の内服で制御できている。ケトン食療法の普及に伴い,医原性の色素性痒疹の増加が予想される。
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