症例
交差抗原を同定し得なかったイチジクによるアナフィラキシーの1例
原田 晋
1
,
森山 達哉
,
谷口 万紀子
1はらだ皮膚科クリニック
キーワード:
アナフィラキシー
,
過敏症-食品性
,
皮膚テスト
,
免疫ブロット法
,
イチジク属
Keyword:
Anaphylaxis
,
Food Hypersensitivity
,
Skin Tests
,
Immunoblotting
,
Ficus
pp.1147-1151
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/J01266.2016305037
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本邦におけるイチジクアレルギーの報告は少なく、発症機序や原因抗原などについて不明な点が多い。海外の報告では、ほぼ全例が「ベンジャミン」または「花粉類」「ラテックス」との交差反応に基づいて発症したとされている。今回、イチジク摂取後に全身性膨疹や眼周囲・口唇の浮腫などが出現し、プリックテストでイチジクアレルギーと診断したが、「ベンジャミン」「花粉類」「ラテックス」のいずれとも交差反応が認められなかった症例を経験したので、文献的考察を加えて報告した。海外の報告数に比べて国内の報告は極めて少ないことから、日本人にはイチジクアレルギーを発症しにくい何らかの要因が潜在している可能性もあると考えられた。
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