Japanese
English
症例
右下腿虚血性筋膜炎の1例
Ischemic fasciitis on the right lower limb
渡邊 陽香
1
,
遠山 哲夫
1,2
,
三枝 良輔
1
,
宮垣 朝光
1,3
,
佐藤 伸一
1
Haruka WATANABE
1
,
Tetsuo TOYAMA
1,2
,
Ryosuke SAIGUSA
1
,
Tomomitsu MIYAGAKI
1,3
,
Shinichi SATO
1
1東京大学医学部附属病院,皮膚科(主任:佐藤伸一教授)
2国際医療福祉大学,皮膚科
3聖マリアンナ医科大学,皮膚科
キーワード:
虚血性筋膜炎
,
肺腺癌
,
皮下結節
Keyword:
虚血性筋膜炎
,
肺腺癌
,
皮下結節
pp.2105-2108
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003016
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
64歳,男性。肺腺癌でクリゾチニブにて化学療法中であった。2週間前,右下腿に皮下結節を自覚した。病理組織像で皮下組織内に結節状の病変を認めた。中心部はフィブリンの析出を伴う壊死性変化を呈し,周囲は線維化と小血管増生が目立っており,一部に紡錘形ないし星芒状の細胞を認めたことから虚血性筋膜炎と診断した。虚血性筋膜炎は間歇的な虚血が原因で生じる皮下腫瘤である。自験例は担癌患者で化学療法中であり,腫瘍による凝固異常が虚血性筋膜炎発症の背景にある可能性がある。寝たきりなどの明らかな長期間にわたる持続圧迫のエピソードがなくても,虚血性筋膜炎を生じる可能性があることが示唆された。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.