Japanese
English
症例
左下腹部の帝王切開手術瘢痕部に生じた皮膚子宮内膜症の1例
Cutaneous endometriosis on a caesarean section scar of the lower left abdomen
松浦 功一
1
,
竹中 祐子
1
,
堀部 悠
2
,
田畑 務
2
,
石黒 直子
1
Koichi MATSUURA
1
,
Yuko TAKENAKA
1
,
Yu HORIBE
2
,
Tsutomu TABATA
2
,
Naoko ISHIGURO
1
1東京女子医科大学,皮膚科学教室(主任:石黒直子教授)
2同,産婦人科学教室
キーワード:
皮膚子宮内膜症
,
腹壁子宮内膜症
,
帝王切開手術瘢痕部
Keyword:
皮膚子宮内膜症
,
腹壁子宮内膜症
,
帝王切開手術瘢痕部
pp.2109-2112
発行日 2021年12月1日
Published Date 2021/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003017
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45歳,女性。半年前より腹部に月経時に圧痛が増強する結節を生じた。初診時,左下腹部に5mm大の石様硬に触知する皮下結節がみられた。全摘出を予定したが,病変が深部に及んでいたため部分切除とした。病理組織像で,真皮に腺管構造の形成があり,腺管壁はほぼ1層の円柱上皮細胞で構成されていた。腺管上皮と間質細胞はエストロゲン受容体,プロゲステロン受容体染色陽性,間質細胞はCD10染色陽性を示した。帝王切開手術瘢痕部に結節を生じており,手術操作により医原性に発生したと推察した。残った病変に対してはジエノゲストの投与を開始し,疼痛は消失した。皮膚子宮内膜症は閉経後に自然軽快が期待できるが,疼痛を伴う場合には薬物療法も治療のひとつとなる。
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