Japanese
English
症例
長期間の腹痛が先行した成人IgA血管炎の1例
Adult IgA vasculitis preceded by long-term abdominal pain
佐藤 有里子
1
,
會澤 海
1
,
佐藤 尚子
2
,
大泉 智史
2
,
藤島 裕耕
2
,
矢島 晴美
1
,
河野 通浩
3
Yuriko SATO
1
,
Umi AIZAWA
1
,
Shoko SATO
2
,
Tomofumi OIZUMI
2
,
Yuko FUJISHIMA
2
,
Harumi YAJIMA
1
,
Michihiro KONO
3
1能代厚生医療センター,皮膚科
2同,消化器内科
3秋田大学,皮膚科学・形成外科学講座(主任:河野通浩教授)
キーワード:
IgA血管炎
,
Henoch-Schönlein紫斑病
,
腹痛
,
小腸潰瘍
,
小腸ダブルバルーン内視鏡
Keyword:
IgA血管炎
,
Henoch-Schönlein紫斑病
,
腹痛
,
小腸潰瘍
,
小腸ダブルバルーン内視鏡
pp.1260-1264
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002746
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
37歳,男性。腹痛が出現し,腸炎が疑われ整腸剤などを内服したが,1カ月以上,腹痛と嘔吐を繰り返したため入院した。小腸ダブルバルーン内視鏡で空腸に潰瘍を認めたが,生検組織では非特異的炎症像であり,経過を観察していたところ,腹痛出現から51日目に両下腿に浸潤を触れる点状紫斑が出現した。皮膚生検を行い,HE染色で血管周囲の核塵を,蛍光抗体直接法で血管壁のIgA沈着をそれぞれ認め,臨床と病理組織像からIgA血管炎と診断した。副腎皮質ステロイドの内服で腹部症状および紫斑は速やかに軽快した。自験例ほど長期間にわたり腹部症状が皮膚症状に先行したIgA血管炎の症例はまれである。
Copyright © 2021, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.