Japanese
English
症例報告
多発する回腸潰瘍を伴ったHenoch-Schönlein紫斑病の1例
A case of Henoch-Schönlein purpura with multiple ulcers in the intestinum ilium
村井 五月
1
,
石黒 直子
1
,
川島 眞
1
Satsuki MURAI
1
,
Naoko ISHIGURO
1
,
Makoto KAWASHIMA
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Tokyo Women's Medical University,Tokyo,Japan
キーワード:
Henoch-Schönlein紫斑病
,
小腸潰瘍
,
回腸潰瘍
,
小腸鏡
,
CT検査
Keyword:
Henoch-Schönlein紫斑病
,
小腸潰瘍
,
回腸潰瘍
,
小腸鏡
,
CT検査
pp.778-782
発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103048
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要約 45歳,女性.2007年1月に腹・背部痛を伴い,下腿に紫斑が出現した.Henoch-Schönlein紫斑病とそれに伴う消化器病変を疑われ,緊急入院した.両下腿全周性に米粒大までの浸潤を触れる紫斑が多発し,生検像では真皮上層の血管周囲に好中球,リンパ球の浸潤と核塵,赤血球漏出像を認めたが,血管壁は比較的保たれていた.蛍光抗体直接法では免疫グロブリンは沈着していなかった.血中IgAが上昇していた.入院時の腹部超音波・CT,上・下部消化管内視鏡検査では腹痛の原因病変は検出できなかったが,小腸鏡にて多発性の回腸潰瘍を確認した.プレドニゾロン40mg/日で開始後,便潜血・ヘモグロビンを指標にして減量を行い,約4か月で中止したが,再燃はない.Henoch-Schönlein紫斑病では,小腸病変の合併を念頭に置く必要があり,小腸病変の検索には小腸鏡とともに,CT検査を複数回施行することも有用である.
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