Japanese
English
症例報告
十二指腸潰瘍を合併したIgA血管炎の1例
A case of IgA vasculitis with duodenal ulcer
平田 佳子
1
,
田中 諒
1
,
齋藤 京
1
,
加藤 まゆみ
2
Yoshiko HIRATA
1
,
Ryo TANAKA
1
,
Hitoshi SAITO
1
,
Mayumi KATO
2
1さいたま市立病院皮膚科
2さいたま市立病院内科
1Division of Dermatology, Saitama Municipal Hospital, Saitama, Japan
2Division of Internal Medicine, Saitama Municipal Hospital, Saitama, Japan
キーワード:
IgA血管炎
,
触知性紫斑
,
腹痛
,
消化管潰瘍
,
プレドニゾロン
Keyword:
IgA血管炎
,
触知性紫斑
,
腹痛
,
消化管潰瘍
,
プレドニゾロン
pp.122-126
発行日 2017年2月1日
Published Date 2017/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204987
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要約 41歳,女性.初診2週間前に両下腿の紫斑と筋肉痛を自覚し,3日前に嘔気が出現した.初診時,両下肢に下腿を中心に2〜3mm大の浸潤を触れる紫斑が散在していた.また,上部消化管内視鏡検査で不整形の十二指腸潰瘍の多発を認め,皮膚の臨床および病理組織学的所見と併せてIgA血管炎と診断した.初診同日に入院加療とし,第2日よりプレドニゾロン(PSL)50mg/日の全身投与を開始したものの軽快に乏しかったが,第6日にPSL 100mg/日に増量して腹部症状は改善し,第27日の内視鏡再検査で十二指腸潰瘍の上皮化が確認された.本症における消化管潰瘍合併は小児に高率で治療の検討も小児領域が中心であり,成人発症例の治療はそれらに準じることが多い.過去の報告や自験例の経過を検証し,本症に腹部症状を伴った場合,速やかなPSLの投与開始にとどまらず,増量を念頭に置いた詳細な観察をその後も行うことが重要であると考えた.
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