Japanese
English
特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅲ.疾患別
I.アレルギー疾患
IgA血管炎
IgA vasculitis
松原 知代
1
Tomoyo Matsubara
1
1獨協医科大学埼玉医療センター小児科
キーワード:
IgA血管炎
,
紫斑
,
腹痛
,
関節痛
,
腎炎
Keyword:
IgA血管炎
,
紫斑
,
腹痛
,
関節痛
,
腎炎
pp.799-802
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001340
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1 疾患概念
Henoch-Schönlein紫斑病(HSP)はアナフィラクトイド紫斑病,アレルギー性血管炎とも呼称されていたが,血管炎に関するチャペルヒルコンセンサス会議(CHCC)2012において,人名が冠せられた血管炎疾患を病因・病態生理にもとづいて記述的な疾患名へと変更し,侵襲血管のサイズにもとづいて分類されることになった1)。その結果,HSPはIgA血管炎に名称が変更された。IgA血管炎は表皮と真皮上層に限局する血管炎で,小血管(小―細動脈,小静脈,毛細血管)が炎症の場で,IgA免疫複合体が血管壁に沈着しており,小型血管炎の免疫複合体性血管炎の一つに分類されている。IgA1のヒンジ部分のグリコシル化消失によりIgA1が補体を活性化し,組織に沈着することが病態と報告されている2)。
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