特集 血流障害と消化管疾患
3 .血管炎(1)IgA 血管炎による消化管病変
岡田 圭次郎
1
,
谷 泰弘
1
,
三長 孝輔
1
,
山下 幸孝
1
1日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科
キーワード:
IgA血管炎
,
上部消化管内視鏡
,
下部消化管内視鏡
,
Henoch-Schönlein紫斑病
Keyword:
IgA血管炎
,
上部消化管内視鏡
,
下部消化管内視鏡
,
Henoch-Schönlein紫斑病
pp.59-65
発行日 2018年12月20日
Published Date 2018/12/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000620
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IgA血管炎は,IgA免疫複合体が血管壁に沈着することで生じる全身性の細小血管炎であると考えられている.皮膚症状,関節症状,消化器症状,腎症状がおもな4徴で,その他神経症状や呼吸器症状などさまざまな全身症状を呈する.消化管病変は全消化管に起こりうる.とくに十二指腸を含む小腸に病変が認められることが多いとされる.内視鏡所見は浮腫,発赤,びらん,潰瘍など多彩な像を認め,広範囲に及ぶこともある.診断は臨床所見に加え,生検による組織所見により行うが,腹部症状が先行する例では内視鏡所見より本疾患を想起することが必要である.多くは対症療法で軽快するが,持続する腹痛や消化管出血,腎障害など臨床的に問題となる症状や症候を有する場合はステロイドを使用する.多くの症例でステロイド治療が著効し,予後は良好とされる.
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