Japanese
English
症例報告
潰瘍性大腸炎に合併した壊疽性膿皮症にアダリムマブが奏効した1例
A case of pyoderma gangrenosum complicated with ulcerative colitis successfully treated with adalimumab
古屋 佳織
1
,
市村 知佳
1
,
横田 真樹
1
,
福士 剛蔵
2
,
石河 晃
1
Kaori FURUYA
1
,
Chika ICHIMURA
1
,
Masaki YOKOTA
1
,
Gozo FUKUSHI
2
,
Akira ISHIKO
1
1東邦大学医学部皮膚科
2東邦大学医学部消化器内科
1Department of Dermatology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
2Department of Gastroenterology, School of Medicine, Toho University, Tokyo, Japan
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
潰瘍性大腸炎
,
アダリムマブ
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
潰瘍性大腸炎
,
アダリムマブ
pp.365-371
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205998
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要約 46歳,男性.初診6年前に潰瘍性大腸炎と診断され,メサラジン内服にて加療中.約3か月前より腸管症状の増悪と関節痛あり,3週間前からプレドニゾロン40mg/日(≒0.5mg/kg/日)内服し症状は緩和したが,プレドニゾロン30mg/日に漸減したところ,発熱と陰茎基部に拇指頭大の有痛性潰瘍,右膝部に発赤,腫脹,疼痛が出現し,徐々に拡大した.血液検査にて著明な炎症反応の上昇があったが,創部細菌培養は陰性であった.病理組織標本では,真皮全層に好中球を主体とする稠密な炎症細胞浸潤を認め,壊疽性膿皮症と診断した.顆粒球吸着療法を導入したが,腸管,皮膚症状の改善に乏しく,右膝部は自壊し潰瘍化した.アダリムマブを投与したところ腸管,皮膚症状ともに改善し,約3か月後に潰瘍部はすべて上皮化した.ステロイド抵抗性の壊疽性膿皮症に対するアダリムマブの適応拡大を視野に入れた症例の蓄積が望まれる.
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