Japanese
English
症例報告
潰瘍性大腸炎に合併し,皮下膿瘍を呈した壊疽性膿皮症の1例
A case of pyoderma gangrenosum with subcutaneous abscess associated with ulcerative colitis
中澤 慎介
1
,
森 達吉
1
Shinsuke NAKAZAWA
1
,
Tatsuyoshi MORI
1
1富士宮市立病院皮膚科
1Division of Dermatology, Fujinomiya City General Hospital, Fujinomiya, Japan
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
皮下膿瘍
,
壊疽性膿皮症
,
ステロイドパルス
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
皮下膿瘍
,
壊疽性膿皮症
,
ステロイドパルス
pp.632-636
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204843
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要約 29歳,男性.初診10年前より潰瘍性大腸炎の診断で加療されていた.前胸部と下腿部に壊疽性膿皮症の既往があった.今回初診20日前より,特に誘引なく疼痛を伴う右膝腫脹が出現し,続いて下血と発熱がみられた.右膝腫脹は発赤を伴って増悪し,皮下膿瘍となり自壊した.ステロイドパルス療法により,速やかに解熱と疼痛改善が得られた.ステロイドおよびジアフェニルスルホンの内服を続けたところ,ほぼ瘢痕を残さず治癒した.ステロイド漸減中に右足背に同様の病変が出現しステロイド増量にて治癒した.病理組織像では,真皮中層から皮下組織に好中球が浸潤しており,皮下膿瘍を呈した壊疽性膿皮症と診断した.潰瘍性大腸炎患者の関節部には皮下膿瘍が生じることがあり,ステロイド内服加療が奏効する.
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