Japanese
English
症例報告
潰瘍性大腸炎に合併し,皮下膿瘍を伴った壊疽性膿皮症の2例
Two cases of pyoderma gangrenosum with subcutaneous abscess associated with ulcerative colitis
糟谷 啓
1
,
松下 佳代
1
,
西尾 大介
2
Akira KASUYA
1
,
Kayo MATSUSHITA
1
,
Daisuke NISHIO
2
1県西部浜松医療センター皮膚科
2スズキ(株)湖西工場
1Division of Dermatology,Hamamatsu Medical Center,Shizuoka,Japan
2Suzuki co,Kosai,Japan
キーワード:
壊疽性膿皮症
,
潰瘍性大腸炎
,
皮下膿瘍
Keyword:
壊疽性膿皮症
,
潰瘍性大腸炎
,
皮下膿瘍
pp.912-916
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102445
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要約 症例1:57歳,男性.54歳時より潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)にて加療されていた.UCの増悪に伴い,前胸部,四肢に有痛性の皮下膿瘍が出現した後,一部は自壊し穿掘性の潰瘍となった.病理組織像では,真皮全層および皮下組織に好中球が密に浸潤していた.臨床像と病理組織像より壊疽性膿皮症(pyoderma gangrenosum:PG)と診断した.症例2:31歳,女性.18歳時よりUCにて加療中であったが,UCの再燃時より,四肢伸側に有痛性の紅斑と皮下膿瘍が出現した.下腿部の皮下膿瘍は自壊し,穿掘性の潰瘍が形成された.病理組織像では,真皮中層から皮下組織に好中球が浸潤し,臨床像とあわせPGと診断した.膿疱型のPGでは角層下膿疱の形成や真皮浅層への炎症細胞浸潤の報告は多いが,皮下組織に大型の膿瘍を伴うPGの報告は少ない.
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