Japanese
English
症例報告
腸管囊腫様気腫症を発症した皮膚筋炎の1例
A case of dermatomyositis complicated with pneumatosis cystoides intestinalis
小坂 啓寿
1
,
遠藤 雪恵
1
,
岡 愛菜
1
,
上原 顕仁
1
,
土岐 清香
1
,
安田 正人
1
,
茂木 精一郎
1
Keiji KOSAKA
1
,
Yukie ENDO
1
,
Aina OKA
1
,
Akihito UEHARA
1
,
Sayaka TOKI
1
,
Masahito YASUDA
1
,
Sei-ichiro MOTEGI
1
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Gunma University Graduate School of Medicine, Maebashi, Japan
キーワード:
腸管囊腫様気腫症
,
皮膚筋炎
,
抗TIF-1γ抗体
,
プレドニゾロン
Keyword:
腸管囊腫様気腫症
,
皮膚筋炎
,
抗TIF-1γ抗体
,
プレドニゾロン
pp.213-218
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206913
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要約 82歳,女性.初診の約2か月前に頭頸部と胸部,上肢の紅色皮疹と上肢の浮腫を自覚した.1か月前より嚥下困難,筋肉痛,筋力低下が出現したため前医に入院し,ヘリオトロープ疹,Gottron徴候,筋力低下,血清クレアチニンキナーゼ(CK)上昇,筋電図変化,抗TIF-1γ抗体陽性から皮膚筋炎と診断された.治療目的で当科に転院し,プレドニゾロン(PSL)55 mg(1 mg/kg/日)と免疫グロブリン大量静注療法の併用で皮疹やCK値は改善したが,治療開始2か月後に腹部膨満が出現した.CTで腸管壁内や後腹膜腔,前縦郭に気腫があり腸管囊腫様気腫症と診断した.安静と絶食,中心静脈栄養による保存的治療で改善し,第87病日に転院したが,転院4か月後に急性胆囊炎による敗血症で死亡した.腸管囊腫様気腫症は腸管壁内に含気性囊胞を生じる稀な疾患である.皮膚筋炎との合併例は少ないが,経過中に腹部膨満が生じた場合は本疾患の鑑別が必要である.
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