Japanese
English
症例
認知症高齢者の左下腿潰瘍に発生した蠅蛆症の1例
Myiasis on the Left Lower Leg Ulcer of an Elderly Woman with Dementia
森 知花
1
,
神谷 秀喜
1
,
北島 康雄
1
Tomoka MORI
1
,
Hideki KAMIYA
1
,
Yasuo KITAJIMA
1
1木沢記念病院,皮膚科/皮膚がんセンター(主任:北島康雄院長)
キーワード:
蠅蛆症
,
下腿潰瘍
,
認知症
,
蜂窩織炎
Keyword:
蠅蛆症
,
下腿潰瘍
,
認知症
,
蜂窩織炎
pp.1359-1362
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002140
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78歳,女性。数年前より認知症があり,現在は夫と2人暮らし。初診の3カ月前から左下腿の創部に抗菌外用薬を継続していた。入浴や洗浄が疎かになっていたところ,ベッドから転落し近医に搬送された。外傷はなかったが,左下腿蜂窩織炎と蠅蛆症のため当院に転院した。左下腿潰瘍に寄生した蛆は,洗浄や鑷子での除去,ヨードホルムガーゼで死滅した。潰瘍は精製白糖・ポビドンヨード軟膏で上皮化し,蜂窩織炎は抗菌薬で改善した。皮膚科領域の蝿蛆症は腫瘍や創傷・潰瘍に生じた例が多く,患者の生活状況に応じて通院頻度や訪問看護サービスの利用などを考慮することが望ましい。適切な各種サービスの利用,家族や親族,地域の協力などが蝿蛆症の予防につながる。
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