特集 悪性上皮系腫瘍
蠅蛆症を伴った後頭部基底細胞癌の1例
工藤 万里
1
,
日浦 梓
1
,
木曽 真弘
1
,
石浦 信子
1
,
鈴木 大介
1
,
玉木 毅
1
,
山口 翔史
1
,
松田 航
1
1日本赤十字社医療センター,皮膚科(主任:今門純久部長)
キーワード:
基底細胞癌
,
蠅蛆症
Keyword:
基底細胞癌
,
蠅蛆症
pp.1387-1390
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000154
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63歳,男性。22年前に,後頭部に7 mm 大の結節があるのに気づいたが放置し,4カ月前には後頭部から蛆が落ちてくるようになり頭痛も出現,1カ月前から臥床傾向となり当院に救急搬送された。後頭部全体に多量の蛆が付着しており,後頭部から両側の耳介後部にかけて潰瘍が認められ,潰瘍辺縁部には黒色結節が帯状に広がっていた。生検病理組織学的所見より基底細胞癌と診断。頭部造影CTでは後頭部,頭蓋骨の骨破壊像と小脳半球に囊胞性病変を認め,頭蓋内への直接浸潤を疑う所見であった。完全な外科的切除が行われれば一般的に予後が良好な基底細胞癌においても,長期の経過により直接浸潤をおこす可能性があることを認識させられた症例であった。
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