Japanese
English
症例報告
鼠径部に生じたmesothelial cystの1例
A case of mesothelial cyst in the inguinal region
大原 満梨奈
1
,
日置 智之
1
,
森 知花
1
,
神谷 秀喜
1
,
北島 康雄
1
,
杉山 誠治
2
,
山田 鉄也
2
,
松永 研吾
2
Marina OHARA
1
,
Tomoyuki HIOKI
1
,
Tomoka MORI
1
,
Hideki KAMIYA
1
,
Yasuo KITAJIMA
1
,
Seiji SUGIYAMA
2
,
Tetsuya YAMADA
2
,
Kengo MATSUNAGA
2
1木沢記念病院皮膚科
2木沢記念病院病理診断部
1Division of Dermatology, Kizawa Memorial Hospital, Minokamo, Japan
2Division of Pathology, Kizawa Memorial Hospital, Minokamo, Japan
キーワード:
mesothelial cyst
,
中皮細胞
,
鼠径部
,
囊胞性腫瘤
Keyword:
mesothelial cyst
,
中皮細胞
,
鼠径部
,
囊胞性腫瘤
pp.717-722
発行日 2020年8月1日
Published Date 2020/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206143
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要約 74歳,女性.B型慢性肝炎,肝細胞癌術後で他院通院中.2018年8月頃より右鼠径部に皮下腫瘤が出現し徐々に増大したため,当科を受診した.右鼠径部に2cm大で弾性軟,下床との可動性良好な皮下腫瘤を認めた.画像検査では皮下組織内の境界明瞭な囊胞性腫瘤で腹腔内との連続性はなく,局所麻酔下で摘出した.病理組織像では,1層の扁平な細胞に裏打ちされた囊胞を認め,免疫染色で囊胞壁の細胞がAE1/AE3,カルレチニン,D2-40,WT-1に陽性であったため,中皮細胞由来のmesothelial cystと診断した.Mesothelial cystは中皮細胞に由来する囊胞性病変で,成因として胎生期の間葉系中皮要素の遺残によるものや腹膜囊状突起の閉鎖不全が考えられている.腹腔内に連続,あるいは鼠径ヘルニアを合併する場合もあるため,術前に画像検査でよく確認し手術を行う必要がある.
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