Hyperkeratosis of Nipple and Areolaの1例

Hyperkeratosis of Nipple and Areola

14歳，男性。左乳輪上に生じた黒色調扁平隆起性局面を主訴に当科を受診した。同部に限局して黒褐色の表面顆粒状の角化性局面がみられた。病理組織学的所見よりhyperkeratosis of nipple and areolaと診断した。外用治療および液体窒素による治療は無効であったため，局面を切除し，陰囊皮膚を用いた全層植皮術を施行した。術後3カ月で再発はなく整容的にも満足な結果である。本症は乳頭や乳輪に過角化や乳頭腫様の肥厚，色素沈着を呈する疾患概念であり，本邦報告例は現在までに23例と比較的少ない。自然軽快した例もあり治療は一定していないが，外科的治療も有効な治療といえる。