Japanese
English
症例報告
クロバエによる皮膚蠅蛆症の1例
A case of cutaneous myiasis due to Calliphoridae
斉藤 絵里子
1
,
守田 亜希子
1
,
勝田 倫江
1
,
塩原 哲夫
1
Eriko SAITO
1
,
Akiko MORITA
1
,
Michie KATSUTA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kyorin University School of Medicine
キーワード:
蠅蛆症
,
クロバエ(Calliphoridae)
Keyword:
蠅蛆症
,
クロバエ(Calliphoridae)
pp.1272-1275
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101116
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
34歳,男性.約1週間のエチオピア滞在中,左上腕外側および右側腹部にそう痒を伴う虫刺症様皮疹を自覚し,その際に一過性の39℃台の発熱があった.帰国3日後より同部位がせつ様となったため,患者自ら左上腕の刺入部と思われる中央潰瘍部を圧迫し,約5mm長の虫体を摘出した.初診時,右側腹部の皮疹からも虫体が摘出され,同部を生検した.病理組織学的に中央潰瘍部から真皮浅層にかけ連続性のトンネル形成を認めたが,新たな虫体は検出されなかった.一方,摘出された虫体はクロバエ科に属する蠅蛆(Calliphoridae)であると同定され,皮膚蠅蛆症と診断した.本症の既報告例の多くは海外で感染し帰国後に発症することから,海外渡航に伴う本症の発症には注意すべきである.
Copyright © 2006, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.