Japanese
English
特集 細菌・抗酸菌感染症
難治性潰瘍を呈した皮膚ノカルジア症の1例
Cutaneous Nocardiosis Presenting with Intractable Ulcer
太田 真由美
1
,
辻 香織
1
,
井波 真矢子
1
,
矢野 優美子
1
,
松尾 陽香
1
,
羽渕 麻理亜
1
,
出月 健夫
1
,
五十嵐 敦之
1
Mayumi OTA
1
,
Kaori TSUJI
1
,
Maiko INAMI
1
,
Yumiko YANO
1
,
Haruka MATSUO
1
,
Maria HABUCHI
1
,
Takeo IDEZUKI
1
,
Atsuyuki IGARASHI
1
1NTT東日本関東病院,皮膚科(主任:五十嵐敦之部長)
キーワード:
原発性皮膚ノカルジア症
,
菌種型
,
Nocardia brasiliensis
,
菌塊
,
健常成人
Keyword:
原発性皮膚ノカルジア症
,
菌種型
,
Nocardia brasiliensis
,
菌塊
,
健常成人
pp.1039-1043
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002042
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43歳,健常女性。数年前に外傷歴のあった右足背部に,1年前から皮下腫瘤と疼痛が生じ近医受診の後,難治なため当科を紹介受診した。切開で少量の排膿と顆粒状物排出があった。病理組織学的に真皮の炎症性細胞浸潤と膿瘍内に馬蹄形の菌塊があり,培養検査でNocardia brasiliensisを検出し,皮膚ノカルジア症と診断した。スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤を開始するも薬疹と白血球減少のため中止し,カナマイシン硫酸塩の内服を1カ月と局所洗浄で上皮化した。1年経過後,臨床的・画像所見上も再発はみられない。難治性潰瘍をみた場合ノカルジア症は鑑別となり,病歴聴取が重要であると考えた。
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