Japanese
English
症例
膝に生じた皮膚ノカルジア症の1例
Primary cutaneous nocardiosis on the knee
中川 裕愛
1
,
真柄 梓
1
,
矢口 貴志
2
,
村松 伸之介
1
Yua NAKAGAWA
1
,
Azusa MAGARA
1
,
Takashi YAGUCHI
2
,
Shinnosuke MURAMATSU
1
1JA愛知厚生連江南厚生病院,皮膚科(主任:村松伸之介医長)
2千葉大学,真菌医学研究センター
キーワード:
原発性皮膚ノカルジア症
,
菌腫型
,
Nocardia brasiliensis
Keyword:
原発性皮膚ノカルジア症
,
菌腫型
,
Nocardia brasiliensis
pp.1425-1428
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000003447
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70歳,男性。7年前にオートバイで転倒し,左膝を受傷した。その翌年から,夏に左膝に排膿を伴う瘻孔が出現して冬に痂皮化することを繰り返し,皮下硬結を形成したため当院を受診した。皮膚培養でNocardia brasiliensisを同定し,CTによる全身検索の結果,他臓器病変がなかったことから原発性皮膚ノカルジア症と診断した。慢性進行であり,瘻孔,皮下硬結を認め,リンパ節腫脹がなかったことから菌腫型と診断した。スルファメトキサゾール・トリメトプリム,ミノサイクリン塩酸塩の投与および瘻孔出現時に適宜切開・洗浄を施行し,治療開始から3カ月時点ですべて瘢痕化した。皮膚ノカルジア症はまれな疾患ではあるが,外傷部位に遅発性に生じる場合もあることを念頭に置いて診察にあたる必要があると考える。
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