Japanese
English
特集 角化症・炎症性角化症
診断・治療に苦渋した毛孔性紅色粃糠疹の1例
Pityriasis Rubra Pilaris:Difficulties in Diagnosis and Treatment
太田 真由美
1
,
井波 真矢子
1
,
矢野 優美子
1
,
松尾 陽香
1
,
出月 健夫
1
,
五十嵐 敦之
1
Mayumi OTA
1
,
Maiko INAMI
1
,
Yumiko YANO
1
,
Haruka MATSUO
1
,
Takeo IDEZUKI
1
,
Atsuyuki IGARASHI
1
1NTT東日本関東病院,皮膚科(主任:五十嵐敦之部長)
キーワード:
毛孔性紅色粃糠疹
,
紅皮症
,
エトレチナート
,
プレドニゾロン
Keyword:
毛孔性紅色粃糠疹
,
紅皮症
,
エトレチナート
,
プレドニゾロン
pp.615-619
発行日 2019年5月1日
Published Date 2019/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000001344
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70歳,男性。全身に鱗屑を伴う紅斑が出現した。近医で尋常性乾癬と診断され,治療するも増悪した。カルシウム拮抗薬の薬疹を疑われ,薬剤変更依頼のため当院内分泌内科を受診した。薬剤中止後も軽快せず,当科を受診した。その後手掌・足底の紅色角化性局面を認め,毛孔性紅色粃糠疹も鑑別となった。エトレチナートを開始したところ紅皮症化,ナローバンドは刺激性が強く中止,シクロスポリン内服後に敗血症となった。病理学的な確定診断に至るまで数回の生検を施行し,毛孔角栓を確認した。経過中に紅皮症を呈した皮膚に島状に正常皮膚がみられた臨床像から,毛孔性紅色粃糠疹と診断した。少量エトレチナート内服が効果あり,再燃なく,開始後1年経過し,皮疹はほぼ正常化した。自験例は診断・治療に苦渋したものの,本症I型の特徴的な臨床経過をとった症例と考えた。
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