Japanese
English
今月の症例
原発性皮膚ノカルジア症の1例
A Case of Primary Cutaneous Nocardiosis
宮川 加奈太
1
,
平井 義雄
2
,
高橋 泰英
3
,
中嶋 弘
3
,
伊藤 章
4
Kanata MIYAKAWA
1
,
Yoshio HIRAI
2
,
Yasuhide TAKAHASHI
3
,
Hiroshi NAKAJIMA
3
,
Akira ITO
4
1国立相模原病院皮膚科
2横浜赤十字病院皮膚科
3横浜市立大学医学部皮膚科学教室
4横浜市立大学医学部第1内科
1Department of Dermatology, Sagamihara National Hospital
2Department of Dermatology, Yokohama Red-Cross Hospital
3Department of Dermatology, Yokohama City University, School of Medicine
4The First Department of Internal Medicine, Yokohama City University, School of Medicine
キーワード:
原発性皮膚ノカルジア症
,
Nocardia brasiliensis
,
免疫不全
Keyword:
原発性皮膚ノカルジア症
,
Nocardia brasiliensis
,
免疫不全
pp.935-940
発行日 1991年11月1日
Published Date 1991/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900476
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原発性皮膚ノカルジア症の1例を報告した.45歳,男.10年前,外傷後に左肘頭部付近に難治性の皮疹が出現した.初診時,左肘頭部付近に波動を触れる境界不鮮明な小結節が散在した.検査所見ではOKT 4/8比低下が認められた.病理組織像は強い炎症細胞の浸潤が見られたが,顆粒や菌糸様菌要素は認められなかった.菌学的所見は,生検組織の好気性培養にて表面白亜状,放射状皺襞のあるコロニーを得,血性分泌物の塗抹標本のグラム染色にて菌糸様菌要素を認めた.菌の生理学的性状から本菌をNocardia brasiliemsisと同定した.他臓器に所見を認めなかったため本例を原発性皮膚ノカルジア症の限局型と診断し,ST合剤内服で約10カ月で軽快した.自験例を含めて「原発性皮膚ノカルジア症」の50例について集計し検討した.
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