Japanese
English
特集 細菌・抗酸菌感染症
当初皮下巨大血腫が疑われた皮膚ノカルジア症の1例
Cutaneous Nocardiosis Initially Suspected of Giant Subcutaneous Hematoma
川口 亜美
1
,
下松 達哉
1
,
岩橋 弘樹
2
,
奥野 千晶
3
Ami KAWAGUCHI
1
,
Tatsuya SHIMOMATSU
1
,
Hiroki IWAHASHI
2
,
Chiaki OKUNO
3
1和歌山ろうさい病院,皮膚科(主任:下松達哉部長)
2同 整形外科
3同 中央検査部
キーワード:
Nocardia farcinica
,
皮膚ノカルジア症
,
皮下血腫
Keyword:
Nocardia farcinica
,
皮膚ノカルジア症
,
皮下血腫
pp.1033-1037
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000002041
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73歳,女性。ネフローゼ症候群に対し副腎皮質ステロイドと免疫抑制薬を内服していた。運動中に右大腿を打撲後,同部位に皮下腫瘤が出現した。皮下血腫が疑われ経過観察としたが感染を繰り返した。3カ月後皮下腫瘤は再度増大し自壊した。各種検査の結果,Nocardia farcinicaが同定された。限局型皮膚ノカルジア症の診断で切開排膿術とスルファメトキサゾール・トリメトプリム配合錠内服にて症状は軽快した。その後薬剤感受性のあったミノサイクリン塩酸塩内服に変更し,再燃は認められていない。皮膚ノカルジア症は比較的まれではあるが,免疫機能低下患者への感染症として重要であると考える。
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